FXの税金はいくらから?国税庁の区分と20.315%の内訳を解説
FXの利益は国税庁の区分では「先物取引に係る雑所得等」に当たり、給与所得などと分けて計算する申告分離課税20.315%が適用されます。給与所得者の場合、給与以外の所得(FXの利益を含む)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。この記事では税率の根拠を国税庁の記載に沿って確認し、申告ラインと経費、損失の繰越までを整理します(2026年8月時点)。
国税庁の区分は「先物取引に係る雑所得等」
結論として、FXの利益に適用される課税の根拠は、国税庁のタックスアンサーNo.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」です。FXは金融商品先物取引等の決済による所得として、この特例の対象に含まれます。
同ページに記載されている内容を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分 | 先物取引に係る雑所得等(申告分離課税) |
| 対象 | 商品先物取引等・金融商品先物取引等・カバードワラントの決済による所得 |
| 所得税 | 15% |
| 住民税 | 5% |
| 復興特別所得税 | 基準所得税額の2.1%(2037年分まで) |
| 合計 | 約20.315% |
| 損失の繰越 | 一定の要件のもと、翌年以後3年間にわたり繰り越し可能 |
原文は国税庁タックスアンサー No.1522で確認できます。制度は改正されることがあるため、申告の前に必ず公式ページで最新の内容を確認してください。なお、現物の受け渡しを伴う取引は対象から除かれる旨も記載されています。
「20.315%」という数字は、この所得税15%・住民税5%・復興特別所得税を合算したものです。内訳を知っておくと、確定申告書のどの欄に何を書くのかが理解しやすくなります。
FXの税率と課税方式
FXの利益(為替差益・スワップポイント)は「先物取引に係る雑所得等」として、給与所得など他の所得と分けて税額を計算する申告分離課税の対象です。税率は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%を合わせて20.315%で、利益の額にかかわらず一律です。給与所得のように所得が増えるほど税率が上がる累進課税ではありません。
為替差益だけでなく、スワップポイントによる利益も同じ雑所得として合算して計算します。逆にスワップポイントの支払いが発生した場合は、その年の利益から差し引いて計算します。為替差益は、決済時の為替レートと建玉時の為替レートの差に取引数量を掛けて算出するのが基本の考え方です。実際の計算はFX会社が発行する年間取引報告書に基づいて行います。
確定申告が必要になるライン
申告が必要かどうかは立場によって目安が異なります。以下はあくまで一般的な目安であり、正確な判定は税理士・所轄の税務署にご確認ください。
| 立場 | 申告が必要になる目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員 | 給与以外の所得が年間20万円超 | 医療費控除等で申告する年は20万円以下でも申告が必要な場合あり |
| 主婦・学生(扶養内) | 所得が年間48万円超が目安 | 扶養控除の判定基準額とは別に確認が必要 |
| 個人事業主・フリーランス | 所得が生じた時点で原則申告対象 | 事業所得とは区分して計算 |
主婦・学生が扶養内でFXを行う際の口座開設や扶養からの注意点はFXは主婦・学生でもできる?の記事で詳しく解説しています。
利益が20万円以下でも申告を検討した方がよいケース
年間の利益が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、以下のようなケースでは申告を検討する余地があります。あくまで一般的な整理であり、個別の要否は税理士・所轄の税務署にご確認ください。
- その年に損失が出ており、翌年以降に損失を繰り越したい場合(繰越控除には申告が必要)
- 医療費控除やふるさと納税など、他の理由で確定申告を行う場合(申告不要の特例が使えなくなることがある)
- 住民税の申告:所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になる場合があります。お住まいの市区町村役場にご確認ください。
申告要否の判断に迷う場合は、自己判断で済ませず、税務署の相談窓口や税理士に相談することをおすすめします。会社員の場合、申告の要否だけでなく「会社に知られるかどうか」が気になる方も多く、その仕組みはFXは副業になる?会社にバレる仕組みの記事で解説しています。
経費にできる可能性があるもの
FXの取引にかかった費用は、取引と直接関係があると認められれば経費にできる場合があります。何が経費として認められるかは個別の状況によるため、最終的な判断は税務署・税理士にご確認ください。
- 取引手数料(取引報告書で確認できるもの)
- 取引に使うPCやインターネット回線費用のうち取引に使った割合分
- 取引環境を整えるためのツール・VPS利用料
- FXに関する書籍代・セミナー参加費
経費として計上する場合は、取引に使った金額を明確に区分できる書類(領収書やクレジットカードの明細等)を保管しておくことが望ましいです。自宅の家賃や通信費など私用と兼用しているものは、取引に使った割合に応じて按分する考え方が一般的ですが、按分方法の妥当性についても税理士・税務署にご確認ください。
VPSを使った取引環境についてはFX用VPSの比較で解説しています。
損失の繰越控除と損益通算
年間で損失が出た場合、確定申告をすることで翌年以降最大3年間、損失を繰り越すことができます。繰り越した損失は、翌年以降のFXの利益と相殺できます。ただし、繰越控除を受けるには利益が出なかった年も含めて毎年連続して確定申告を行う必要があります。
たとえば1年目に10万円の損失、2年目に15万円の利益が出た場合、1年目に確定申告をして損失を繰り越していれば、2年目は15万円の利益から10万円の損失を差し引いた5万円分に対して課税される計算になります(理解のための例示であり、実際の税額を保証するものではありません)。
また、FXの損益は他の店頭・取引所デリバティブ取引の損益と通算できる場合があります。通算できる取引の範囲や具体的な手続きは税理士・所轄の税務署にご確認ください。損失を繰り越した年の翌年も利益が出なかった場合は、その年も申告を続けることで、繰越可能な期間内であれば控除を持ち越せます。
確定申告の手順の概要
FX会社が発行する年間の取引報告書(年間損益報告書)をもとに、以下のような流れで申告を進めます。
- 取引しているFX会社から年間の損益がわかる報告書を取得する
- 「先物取引に係る雑所得等」として所得金額を計算する
- 確定申告書と申告分離課税用の付表を作成する
- e-Taxまたは税務署の窓口で申告書を提出する
申告期間は例年2月中旬から3月中旬頃ですが、年によって日程が変わるため、最新の情報は国税庁の公式サイトで確認してください。申告の際は本人確認書類やマイナンバーの提示・記載が必要です。必要書類の詳細は国税庁の公式サイトや所轄の税務署でご確認ください。申告書の作成には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使って画面の案内に沿って入力する方法もあります。書面で提出する場合は、税務署の窓口への持参または郵送で提出できます。
個別の税務判断について
本記事はFXの税金に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談や具体的な税額の算定を行うものではありません。所得の状況は一人ひとり異なるため、実際の申告にあたっては税理士または所轄の税務署にご相談ください。
これからFXを始める方はFXの始め方や少額から始めるFX、口座選びはFX口座の比較もあわせてご覧ください。税理士に相談する際は、年間の取引報告書や本記事で整理したような疑問点をあらかじめメモしておくと、相談がスムーズに進みやすくなります。
DMM FXでは年間の取引履歴・損益報告書をマイページから確認できます。
DMM FX公式サイトで詳細を見るよくある質問
- FXの利益は国税庁の区分では何に当たりますか?
- 国税庁のタックスアンサーNo.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の対象で、金融商品先物取引等の決済による所得として扱われます。給与所得などと分けて計算する申告分離課税です。
- 20.315%という税率の内訳を教えてください。
- 国税庁の記載では所得税15%、住民税5%に、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%・2037年まで)が加わり、合計で約20.315%となります。利益の額にかかわらず一律です。
- FXの利益にはどんな税金がかかりますか?
- 申告分離課税の対象となり、税率は所得税・住民税等を合わせて20.315%です(2026年8月時点)。
- 年間利益がいくらから確定申告が必要ですか?
- 給与所得者は給与以外の所得が年間20万円を超えると原則申告が必要です。正確な判定は税理士・税務署にご確認ください。
- FXの損失は繰り越せますか?
- 確定申告をすることで、損失を翌年以降最大3年間繰り越し、翌年以降の利益と相殺できます(申告要件あり)。
- 税額の具体的な計算は誰に相談すればよいですか?
- 個別の税額計算や申告方法は税理士または所轄の税務署にご相談いただくことをおすすめします。